デジタル時代の到来とともに、マンガの楽しみ方も大きく変化しています。スマホやタブレットの普及に伴い、新しい形式のマンガが登場し、読者の心を掴んでいます。
その新しい形式こそが「WEBTOON（ウェブトゥーン）」です。
WEBTOONとは、「Web（ウェブ）」と「Cartoon（カートゥーン）＝マンガ」を組み合わせた造語で、主にスマホやタブレットなどのデジタルデバイスで閲覧することを前提に制作されたウェブコミックのことを指します。
2000年代初頭に韓国で誕生したWEBTOONは、現在では日本でも「縦読み漫画」や「縦スクロール漫画」として知られ、従来の紙の漫画とは異なる魅力で読者を惹きつけています。
本記事では、このWEBTOONの基本情報から特徴、市場動向、そして今後の展望まで詳しく解説していきます！
WEBTOONの定義と由来
WEBTOONとは、「Web（ウェブ）」と「Cartoon（カートゥーン）」を組み合わせた造語で、主にスマートフォンやタブレットなどのデジタルデバイスで閲覧することを前提に制作されたウェブコミックのことを指します。
その最大の特徴は、縦長のスクロール形式で読み進められる点にあります。
韓国発祥の経緯
WEBTOONは2000年代初頭に韓国で誕生しました。
当時、韓国ではインターネットの普及が急速に進んでおり、ウェブ上で手軽に楽しめるコンテンツへの需要が高まっていました。
そうした背景のもと、デジタルネイティブな若者たちを中心に、従来の紙のマンガとは異なる新しい形式の漫画が生み出されたのです。
日本での呼称：縦読みマンガ
日本では「WEBTOON」という言葉よりも、「縦読みマンガ」や「縦スクロールマンガ」という呼び方のほうが一般的です。
これは、その読み方の特徴を端的に表現したものです。
WEBTOONの特徴
WEBTOONの特徴について見ていきましょう！
スマホに最適化された縦スクロール形式
WEBTOONの最大の特徴は、縦長のスクロール形式で読み進められる点です。
これは、スマホやタブレットでの閲覧を前提としているため、片手で簡単にスクロールしながら読み進められるよう設計されています。
従来の紙のマンガのようにページをめくる必要がなく、スムーズに物語を楽しむことができます。
フルカラーの視覚表現
WEBTOONのもう一つの大きな特徴は、フルカラーで描かれている点です。
従来の日本のマンガは主にモノクロで描かれていましたが、WEBTOONではカラフルな色彩表現が当たり前となっています。
これにより、より豊かな視覚体験を読者に提供することが可能になりました。
チーム制作による細分化された制作プロセス
WEBTOONの制作は、多くの場合チーム制で行われます。
原作者、ストーリー作家、線画担当、彩色担当など、役割が細分化されており、それぞれの専門家が協力して1つの作品を作り上げていきます。
これにより、高品質な作品を効率的に制作することが可能になりました。
WEBTOONと従来のマンガとの違い
ここまでWEBTOONの特徴を見てきましたが、従来のマンガとの違いも見ていきましょう！
読み方の違い
従来の紙のマンガでは、ページをめくりながら読み進めていくのに対し、WEBTOONでは画面を縦にスクロールしながら読み進めます。
この違いは、ストーリーの展開や演出にも大きな影響を与えています。
WEBTOONでは、縦長の画面を活かした演出や、スクロールのタイミングを利用したサプライズ効果など、新しい表現方法が生み出されてきました。
カラー表現の違い
前述の通り、WEBTOONはフルカラーで描かれるのが一般的です。
一方、従来の日本のマンガはモノクロが主流でした。カラー表現が可能になったことで、キャラクターの表情や背景の描写がより豊かになり、読者の没入感を高めることができるようになりました。
制作方法の違い
従来のマンガは、多くの場合、作家が1人で執筆から作画まで担当していました。
一方、WEBTOONはチーム制作が一般的です。これにより、各分野のスペシャリストが集まって作品を作り上げることができ、高品質な作品を効率的に制作することが可能になっています。
WEBTOONの人気と市場動向
WEBTOONの人気と市場動向についても見ていきましょう。
世界的な市場規模と成長予測
WEBTOONの市場は急速に拡大しており、世界的に注目を集めています。
特に韓国や中国、東南アジアでの人気が高く、北米やヨーロッパでも徐々に認知度が上がっています。
市場調査会社の報告によると、グローバルWEBTOON市場は2025年までに年平均成長率30%以上で拡大し、100億ドル規模に達すると予測されているんです。
日本におけるWEBTOON事業の急成長
日本でも、LINEマンガやピッコマなどのプラットフォームを中心に、WEBTOON市場が急速に拡大しています。
従来の出版社も次々とWEBTOON事業に参入しており、競争が激化しているようです。
日本のマンガ市場全体が縮小傾向にある中、WEBTOONは新たな成長分野として期待されています。
主要なWEBTOONプラットフォーム
世界的に有名なWEBTOONプラットフォームとしては、韓国発祥の「NAVER WEBTOON」や「Kakao Page」、中国の「快看漫画」などがあります。
日本では「LINE マンガ」「ピッコマ」「comico」などが主要なプラットフォームとして知られています。
配信方法と課金システム
WEBTOONの配信方法は主に2つあります。
1つは、定期的に無料で新しいエピソードを公開し、広告収入を得るモデル。もう1つは、一定期間経過後や一部のコンテンツを有料化し、読者から直接収益を得るモデルです。
多くのプラットフォームでは、この2つを組み合わせたハイブリッドモデルを採用しています。
課金システムとしては、「待てば無料」というシステムが特徴的です。
これは、最新話を読むために一定期間待つか、課金して即時に読むかを選択できるシステムで、読者の利便性と収益性のバランスを取っています。
WEBTOONの人気のジャンルと特徴
WEBTOONでは、恋愛、ファンタジー、アクション、ホラーなど、幅広いジャンルの作品が人気を集めています。
特に、日常系の恋愛ストーリーや、異世界ファンタジーなどが人気を博しています。
また、従来の漫画では取り上げられにくかったニッチなテーマや、社会問題を扱った作品なども増えている傾向です。
ストーリー展開の傾向
WEBTOONは、スマートフォンでの閲覧を前提としているため、短時間で読める短めのエピソードが多い傾向にあります。
また、縦スクロール形式を活かした演出や、読者の興味を引くためのクリフハンガー（次回への期待を高める終わり方）を多用するなど、デジタルならではのストーリーテリング手法が発達しています。
日本の出版社やクリエイターの参入状況
日本の大手出版社も、WEBTOONの市場拡大を受けて積極的に参入しています。
例えば、講談社や小学館、集英社などが自社のWEBTOONプラットフォームを立ち上げたり、既存のプラットフォームと提携したりしています。
また、従来の漫画家たちもWEBTOON制作に挑戦する例が増えているんです。
デジタルツールの進化により、個人でもWEBTOONを制作することが可能になっているため、新人クリエイターの登竜門としても注目されています。
WEBTOONの今後の展望
WEBTOONは、その特性を活かしてさらなる進化を遂げる可能性を秘めています。
例えば、音楽や効果音を組み込んだマルチメディア作品や、読者の選択によってストーリーが分岐するインタラクティブな作品など、従来の漫画では実現できなかった新しい表現方法が模索されています。
また、AI技術の発展により、個人の好みに合わせたコンテンツ推薦や、翻訳の自動化なども進んでいくかもしれません。
これにより、より多くの読者に、より適したコンテンツを提供できるようになると思います！
グローバル展開の見通し
WEBTOONは、デジタルコンテンツであるという特性上、言語の壁を越えて世界中に配信することが簡単になりました。
実際に、韓国発のWEBTOONが世界中で人気を博しているように、今後はさらにグローバル化が進むと予想されます。日本のマンガ文化も、WEBTOON形式を通じて世界に発信されていく可能性が高いでしょう。
既に多くの日本のマンガがWEBTOON形式に改作されており、海外での人気も高まっています。
一方で、著作権保護や適切な収益分配など、グローバル展開に伴う課題も存在します。これらの課題を克服しながら、WEBTOONはさらなる成長を遂げていくことが期待されています。
ここまで、WEBTOONの基本情報から特徴、市場動向、そして今後の展望まで詳しく解説しました。
WEBTOONは、デジタル時代における新しいマンガの形として、今後さらなる発展が期待される分野です。
従来の漫画文化を大切にしながらも、新しい技術や表現方法を取り入れることで、より多くの人々に楽しまれるコンテンツとなっていくでしょう。
